ディーゼルエンジンの排気ガスをキレイにしてくれる尿素SCRシステムのアドブルー。
トラックドライバーにはお馴染みの尿素水です。
しかし毎回補充するの面倒なんですよね。
あのアドブルーってなくなるとどうなるのでしょうか?
この記事ではアドブルーが空になった時の対応と対策などを説明しています。
Contents
Ad Blue(アドブルー)って何なの?
そもそもアドブルーとは排気ガスから排出される有害物質(窒素酸化物)を窒素と水に分解してくれる高純度の尿素水です。
詳しくはこちらより
AdBlueの主成分は尿素。純水に高純度の工業用尿素を溶かして製造する無色・透明の尿素水溶液です。ディーゼル車に取り付けられた触媒内部にて排出ガスに対して噴霧され、大気汚染の原因とされている窒素酸化物を窒素と水に分解します。尿素水は無色、無害の液体で化粧品、医薬品や肥料などにも使われています。AdBlue®は、無害で安全な製品のため、取扱いに特別な資格も必要ありません。
引用:日本液炭
Adblueがなくなるとどうなる?
実はAdblueがなくなるとエンジンが再始動できない、つまりエンジンを一旦止めてしまうとAdblueを補給するまではエンジンがかからなくなってしまうんです。
これは現場や出先でやってしまうとマジに困ります。
アドブルー切れでエンジンかからないって本当?
アドブルーが切れるとエンジンがかからなくなるという話は本当です。
正確にいうとなくなった瞬間にエンジンがかからなくなるわけではなく、アドブルーの残量が完全にゼロになってからエンジンをかけてもかからないということです。
たかがアドブルーといってもそうなると大変です。
現場や路上で誤ってエンジンを止めたらそこから動けなくなるわけですから!
アドブルーを補充すればまたエンジンはかかります。
ガス欠と違ってエアー抜きをする必要はありません。
アドブルーなくなっても走れる?
上記の説明通りアドブルーがなくなっても走ることは可能です。
エンジンを止めなければ走り続けることもできます。
しかし排気ガスの分解ができないので環境にはよくありませんよね。
私はよくふそうトラックに乗りますが、アドブルーが切れて走り続けるとデジタルパネルに色んな警告表示がでてきます。
アドブルーが空になったら?対応と対策とは!
アドブルーが空になったら
絶対にエンジンを切ってはいけません。
エンジンさえ止めなければ車は走り続けることができます。
最寄りのガソリンスタンドなどで補給をするまでエンジンを切らなければ大丈夫です。
また対策としては普段より予備のアドブルーを常備しておくと良いでしょう。
アドブルーは水道水でも走るのか?
アドブルーがなくなった時に代わりに水道水を入れても大丈夫なのか?
そう考える人も多いと思いますが水をいれると非常にまずい事になります。
水を入れるとどうなるのか、アドブルー以外の代用品はないのかをこちらの記事で詳しく説明しています。

エンジンがかからなくなったら?
もしアドブルーがなくなりエンジンも止めてしまいエンジンが再始動できなくなったら時は

ネットで最寄りのガソリンスタンドを調べてアドブルーを配達してもらいましょう。
ただし配達はどこのガソスタでもやってるわけではありませんのでご了承下さい。
アドブルーを取り扱っているガソリンスタンドでは箱売りか量り売りをしています。
大きなガソスタではアドブルーの量り売りをしてくれる場合が多いですが、なくなった時の予備に箱で買っておくのも良いでしょう。
アドブルーの保存期間は
アドブルーにも保存期限があります。
いつまでも予備で持っておけるというわけではありません。
アドブルーの保存期限や劣化するスピードは温度によって変わってきます。
アドブルーの保存期限
管理温度 | 寿命/保存期限 |
0℃未満 | 無期限 |
20℃ | 11年間 |
30℃ | 23か月間 |
40℃ | 4か月間 |
50℃ | 1か月間 |
0℃ではアドブルーの寿命は無期限ですが40℃になると途端に短くなります。
アドブルーの劣化対策
アドブルーは20℃なら11年ほど保存が持ちますが30℃なら23か月、40℃なら4か月になります。
さらに50℃になるとたったの1か月になってしまいます。
40℃なんて夏場の本気で暑い時期だけだし50℃なんて日本では有り得ないと思うでしょう。
しかしアドブルーはどこに保管しますか?
ほとんどが車内や工具箱などの喚起の悪い場所でしょう。
夏場の車内温度はとんでもない温度になります。
夏の車内温度は高い時で70℃まで上昇する場合もあります。
サウナの温度が100℃近くあることを考えるとうなずける話です。
70℃の場所に保管していたらあっという間に劣化してしまいますよね。
直射日光を避けて喚起のいい場所で保存することがアドブルーの劣化を防ぎ寿命を伸ばす対策です。
密封した状態で30℃未満で保存することをおすすめします。
アドブルーの燃費は!
アドブルーの燃費を理解しておくことでアドブルーがなくなる時期を把握できます。
実はアドブルーの燃費はトラックや車によってかなり変わります。
同じ年式、同じ車種でも違います。
おそらく積んだ荷物の重量や高速と下道でも違うように思えます。
一般的にAdblueの燃費は1リットルあたり約50kmと言われています。
しかし私の乗っていたフソーのスーパーグレードは1リットルあたり100kmを超えていました。
ドライバー仲間に聞いても燃費はバラバラなので自分の乗っているトラックの燃費を把握する必要があります。
Adblueのタンクの大きさについて
Adblueのタンクの大きさはメーカーによって様々です。
・フソーのスーパーグレードのタンク容量→40リットル
・いすずギガのタンク容量→28リットルと58リットル
・UDクオンのタンク容量→30から40リットルのバリエーションがある
ふそうのアドブルーの残量は!
三菱ふそうのスーパーグレートはデジタル表示で残量を教えてくれます。
最初のひとメモリはなかなか減りませんが、減りだすと早い印象です。
アドブルーの減りが早い
アドブルーの減りが早いと感じたときは、もしかしたら漏れや故障の可能性が考えられます。
アドブルーが漏れて滲みだしていると、タンクの外側が漏れたアドブルー液によって白く固まってしまいます。
せっかく補充しても漏れていては意味がないですし、なによりトラックの運転に支障をきたしてしまいます。
もしも違和感を感じた場合は早めに修理依頼をしましょう。
日頃から定期的に点検をしっかり行うことをおすすめします。
アドブルーをこぼしたら?
AdBlueは、危険物・毒劇物の指定はありません。国内の気候下での長期保存が可能です。ただし、直射日光は避けて、風通しの良い場所に保存してください。(AdBlueは-11°C以下で結晶化します。)
引用:日本液炭
アドブルーをもしこぼしても人体には影響はありません。
アドブルーの成分は尿素と水でできています。
意外にも尿素はスキンケア商品の成分にも使われているので手や足にこぼしたからといって影響はありません。
ただし目に入ったら流水で15分以上洗い流すとなっています。
まとめ
この記事ではAdblueがなくなった時の対応と対策について書いてみました。
とにかくエンジンを切らないこと!
そして普段から残量を意識して、予備Adblueを常備することでAdblueがなくなっちゃったなんて事にならないようにしましょう。