車の免許が取れたときってすごく嬉しくて早く運転したい!という気分になりますよね。
普通車ならともかく、大型トラックの免許を取ったばかりの初心者運転は大変危険なことばかりです。
経験がなく、まだまだ慣れていない状態での大型トラック運転は注意すべき点がいくつもあります。
代表的なものでいえば、内輪差や車幅感覚、オーバーハング(ケツ振り)など。
これはあくまでも一部で、その程度では絶対に済まされない注意点が他にもあります。
今回の記事では、大型トラック初心者ドライバーに向けた絶対に注意してほしいことをお伝えしていきます。
とんでもない大惨事を引き起こす前に心に留めておきましょう。
Contents
大型トラック運転手がマックスで注意したいこと
私は、大型トラックの長距離ドライバーを20年やっています。
大型免許を取ったばかりの初心者ドライバーのみなさんに是非気を付けてほしいことは、
踏切への進入です。
普通車の約3台分といわれる大型の貨物トラックは、全長約12メートルほどの大きさです。
大型トラックに乗りはじめの頃は、この長さに慣れず感覚がつかめなかったり、トラックに乗ってはいるものの12メートルという大きさを忘れてしまいがちです。
それによってうっかり踏切に進入してしまうことがあります。
誤って踏切に入り、運悪く遮断機が降りてきたことを想像するとひとたまりもありません。
絶対に起こしてはいけない事故です。
電車との衝突は甚大な被害に
もしも踏切内で大型トラックが身動きを取れなくなってしまったらどんなことが起こるでしょうか?
想像しただけで恐ろしく、言葉も出ないはずです。
電車一両あたりの重量は約30トンといわれています。
8両編成と仮定して約240トンにもなります。
大型トラックも満載に荷物を積み込むと約25トン前後です。
そこに鉄の塊の車両が時速80~90キロの勢いで突っ込んできたらどうなるでしょうか?
電車とトラックは大破、電車の乗員乗客、トラックドライバー、荷物、踏切周辺の車や人々そのすべてが犠牲になります。
想像するだけで被害があまりにも大き過ぎて唖然としてしまいますよね。
不注意や何らかのトラブルによって事故が起きてしまうとこれだけ恐ろしい惨劇を招いてしまいます。
踏切事故はなぜ起きる!その原因とは
踏切事故が起きる原因とはなんでしょうか?
それは、電車が来ないだろうという思い込みと、前方が渋滞していると知りつつも踏切内に進入することで発生している事例が多いです。
そして大型トラックの初心者ドライバーに多いのが、トラックの車体が踏切内に残っていることに気付いていないということです。
線路内を抜けたと思い込んだり勘違いしたりが一番危険で怖いです。
約12メートルほどにもなる大型トラックは踏切内という小さな範囲で身動きを取れなくなってしまっては大変です。
過失は歩行者や自転車を巻き込む恐れもあります。
踏切の線路の向こう側には十分なスペースがあるか、踏切を越えたあともバックカメラやバックミラーで必ずしっかり確認しましょう!
踏切内で停車した時の対処法とは
予期せぬ出来事は急にやってきます。
そんなとき慌てず素早く対応できるように日頃から下記の3点を常に意識しておきましょう。
・反対車線が空いていたらそちらへ逃げる
・クラクションを鳴らして前の車に気付いてもらいスペースを空けてもらう
・両方とも無理そうな場合は非常停止ボタンを押し早く退避する
一つ目の【反対車線へ逃げる】というのは緊急事態なので致し方ありません。
大惨事を招いてからでは遅いのです。
逃げられる場所があればすぐにトラックを移動する手段をとってください。
私がやってしまった踏切内での体験談
トラックドライバーを20年もやっていると怖い体験のひとつやふたつ私にもあるんですよね。
4トンのユニック車に乗りたての頃のこと。
踏切の向こうはちょっとだけ渋滞していたのですが、まあ大丈夫だろうと深く考えずに踏切内に進入しました。
入った瞬間、信号が赤に変わり車がストップ!そしてすぐに踏切の音がカンカンカン…となり始め一気に焦りだしました。
必死でクラクションを鳴らし、前の車にどうにか動いてもらうことができ間一髪で危機を逃れることができました。
あの時は本当に怖くて、しばらくは心臓のドキドキが止まりませんでした。
それ以来、踏切に差し掛かると特に気を付けて通過するようにしています。
決して良い体験ではありませんが、あの時がきっかけで教訓になりました。
さいごに
初心者トラックドライバーのみなさんに気を付けてほしいことをご紹介してきました。
特に踏切は最大の危険が潜んでいます。
大型トラックは本当に大きい車両です、衝突事故を起こしてしまえば被害はとんでもなく大きなものとなります。
事故は一瞬で起きます。
軽く考えず、常に安全運転を心がけてください。
最後まで読んで頂き有難うございました。